男性看護師の現状調査

まだ世間に浸透していない男性看護師に寄せられる偏見と期待の声

男性看護師に対する世間の目

男性看護師への偏見

ナース全体の1割にも満たない男性看護師は、世間的に影が薄いのが現状です。
男性看護師への偏見は昔より大分改善されていますが、残念ながらまだ完全ではありません。一般の方のみならず医療関係者にも「看護師は女性の仕事だ」と主張する人は存在します。患者さんからは「女性の方が安心する」「相談しやすい」という意見もみられ、特に女性は男性に介抱されることに抵抗を感じる方が多いようです。
しかし、近年では就職難の影響から男性看護師を目指す人が急激に増えており、今後「ナース=女性」の概念が壊れていくことが予想されます。
「男性看護師」を人々に認めてもらうためには、真摯な態度で着実に仕事をこなすことが大切です。

「看護婦」から「看護師」へ

日本は「スチュワーデス」から「キャビンアテンダント」、「保母さん」から「保育士」と名前を変更して、職業の名称による男女差別を無くす取り組みを進めてきました。
それは医療業界にも適用され、以前より女性のイメージが強かった「看護婦」は2002年に「看護師」の名称に統一されました。他にも「保健婦」が「保健師」、「助産婦」が「助産師」に変更されています。ただ、「看護師」と名称が変わったからといって世間に男性看護師の存在が浸透した訳ではなく、実際のところ看護師社会には圧倒的に男性の数が足りていません。
名称の変更に続いて、看護の現場でたくさんの男性が活躍する光景が当たり前になればいいですね。

期待される男性看護師

現在、男性看護師は急速なスピードで増加しています。その背景には、リーマンショックから続く深刻な就職氷河期が関係しています。その上、就けたとしても「安定していない」という悲しい現実から逃れたいと考える男性が増えたことも影響しているようです。
不況が元になって増加している男性看護師。しかし、国からは慢性的な看護師不足・深刻な高齢化社会の問題を解消する糸口として期待されており、結果的にプラスに働いています。
そして男性が増えることで、ナース全体の関係性にバランスがとれて働きやすい環境になるという意見もあります。男性患者の気持ちがわかるという点でも、今後これからの看護にいい影響を与えるでしょう。

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男性看護師に対する世間の目

男性看護師に対する世間の目

「看護婦」と呼ばれていた事実から「看護=女性」の考えがいかに世間に浸透していたかが伺えます。「看護師」への名称変更に伴い偏見は改善されたものの、世間に広く認められるためにはまだ時間がかかりそうです。
この章では、世間の男性看護師に対する偏見だけでなく、人々に期待されていることについても言及しています。

女性が多い職場で感じる悩みとは?

女性が多い職場で感じる悩みとは?

看護師全体に占める女性の割合はおよそ95%。上司も部下も女性ばかりという特殊な環境下で、人間関係に悩むことは珍しいことではありません。毎日気持ちよく働くためには、性別の壁を越えた良好な人間関係を築くことが大切です。男性スタッフが抱える悩み、女性スタッフとの上手な関わり方とはどのようなものでしょう?

ナース全体の一割にも満たない男性看護師は、まだ人々に広く知られている存在ではありません。世の中には、男性の看護に不安を抱く方や「看護師は女性の職業」と主張する方が少なからずいます。しかし寄せられる声の中には、非難や偏見だけでなく期待の声もありますよ。